直接波の対策


目次


はじめに

下の観測データを見ると、880Hzの所に真横に1本線があります。
これは、送信局の電波を直接、受信してしまっているためにこのような記録になっています。
特に送信局(鯖江市)との距離が近いと、このように直接波が受信されてしまい、 肝心の流星エコーが埋もれてしまいます。

MI10291150.png
問題の観測データ(直接波を受信している)

なんとかして、この邪魔な直接波を受信しないようにできないでしょうか?


アンテナの指向性

アンテナには指向性があり、電波の受信しやすい方向や受信しにくい方向があります。
そこで、受信しにくい方向を直接波が来ている方向、すなわち送信局(鯖江市)方向へ向けてやれば 直接波を受信しにくくすることができるかもしれません。

八木アンテナを天頂へ向けているの場合、 アンテナのアルミパイプ(エレメント)を送信局−受信局を結ぶ線と平行になるようにすると、 受信しにくい方向を送信局の方向に向けることができます。

参考: 「流星電波観測ガイドブック」 p77 図2.11


実験

実際にアンテナを天頂に向けたまま回転させて観測してみました。

MI10291150a.png
最初はアンテナのアルミパイプ(エレメント)は南北に向いていました。
11:59にアンテナの回転を開始。
北東−南西(送信局−受信局を結ぶ線と平行)にすると、極端に直接波が弱くなりました。

MI10291200a.png
直接波が見えにくくなった為、飛行機エコーが目立つようになりました。

MI10291210a.png
もちろん流星エコーも見やすくなりました。

アンテナを色々な方向へ回転してみましょう。
MI10291220a.png
アンテナが動いているのは、回転開始から30秒弱です。
南北方向、東西方向、共に直接波を受信してしまっていますが、
北東−南西方向(送信局−受信局を結ぶ線と平行)な時は、直接波は弱くなっています。

MI10291220a.png
ということで、アンテナのアルミパイプ(エレメント)は
送信局−受信局を結ぶ線と平行(北東−南西方向)
で観測することにしました。


まとめ


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