直接波の対策
目次
下の観測データを見ると、880Hzの所に真横に1本線があります。
これは、送信局の電波を直接、受信してしまっているためにこのような記録になっています。
特に送信局(鯖江市)との距離が近いと、このように直接波が受信されてしまい、
肝心の流星エコーが埋もれてしまいます。
問題の観測データ(直接波を受信している)
なんとかして、この邪魔な直接波を受信しないようにできないでしょうか?
アンテナには指向性があり、電波の受信しやすい方向や受信しにくい方向があります。
そこで、受信しにくい方向を直接波が来ている方向、すなわち送信局(鯖江市)方向へ向けてやれば
直接波を受信しにくくすることができるかもしれません。
八木アンテナを天頂へ向けているの場合、
アンテナのアルミパイプ(エレメント)を送信局−受信局を結ぶ線と平行になるようにすると、
受信しにくい方向を送信局の方向に向けることができます。
参考:
「流星電波観測ガイドブック」
p77 図2.11
実際にアンテナを天頂に向けたまま回転させて観測してみました。
最初はアンテナのアルミパイプ(エレメント)は南北に向いていました。
11:59にアンテナの回転を開始。
北東−南西(送信局−受信局を結ぶ線と平行)にすると、極端に直接波が弱くなりました。
直接波が見えにくくなった為、飛行機エコーが目立つようになりました。
もちろん流星エコーも見やすくなりました。
アンテナを色々な方向へ回転してみましょう。
アンテナが動いているのは、回転開始から30秒弱です。
南北方向、東西方向、共に直接波を受信してしまっていますが、
北東−南西方向(送信局−受信局を結ぶ線と平行)な時は、直接波は弱くなっています。
ということで、アンテナのアルミパイプ(エレメント)は
送信局−受信局を結ぶ線と平行(北東−南西方向)
で観測することにしました。
- アンテナのアルミパイプ(エレメント)は送信局−受信局を結ぶ線と平行にすることで
直接波の受信を弱くすることができる。
- 見晴らしが良いなどの理由で直接波が受信される場合に有効であり、
周りの地形による反射などであちこちの方向から直接波が届く場合は効果が無いと考えられるが、
一度、アンテナを回転して調べてみる価値はあると思われる。
- ノイズには効力は無い。
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