流星の電波観測とは
流星は電波を反射します
FMラジオの周波数を、普段は聞くことができない遠くの放送局に合わせておくと、不思議なことに
時々、一瞬ですが放送が聞こえることがあります。
これは、放送局の電波が流星で反射してラジオに届いたからです。
いいかえれば、放送が聞こえた時、流星が流れたと知ることができ、放送が聞こえた回数を数えると、
流星が幾つ流れたかを知ることができます。
このことを利用して、流星の電波観測をします。
電波観測の種類
流星の電波観測の方法は、大きく分けて2種類あります。
- 後方散乱(レーダーと同じ方式)
レーダーと同じ方法で、電波の送信と受信を同じところで行う方法です。
レーダーの場合、送信した電波が、飛行機などに当って戻って来たのを受信して飛行機の位置を知るのと
おなじで、流星に当って戻って来た電波を受信して流星を観測します。
電波を出すためには免許が必要だったりするので、私達が行うには難しいと思います。
- 前方散乱(この方法を使います)
私達が流星の電波観測を行う場合は、こちらの方法になります。
ラジオの放送局などの電波の送信する局と電波を受信する局とが別々の場所になります。
送信局からでた電波が、流星で反射され、送信局とは別のとことで受信して流星を観測します。
私達が、流星の電波観測を行う場合、前方散乱を利用することになりますが、
その中でも、使う電波の種類(周波数)によって、いくつか種類があります。
- FRO(FMラジオ放送の電波を利用)
皆さんご存知のFMラジオ放送の電波を使う方法です。
FMラジオがあればすぐにでも始められますが、近年のFM放送局、特にミニFM局の
増加により、利用が困難になってきています。
- HRO(アマチュア無線の電波を利用)[53.750MHz]
アマチュア無線の周波数帯の電波を使う方法です。
福井工業高等専門学校の前川公男氏が流星観測を目的に電波を休みなく送信してくださっています。
これから、流星の電波観測を始めるのであれば、HROをお勧めします。
以降の説明も主にHROを中心に説明します。
- MURO(
京都大学宙空電波科学研究センターのMUレーダ
の電波を利用)[46.500MHz]
地球大気や惑星間空間を研究する施設である
MUレーダ
から送信されている電波を使う方法です。
しかし、常に流星観測利用できる電波が送信されているわけではないので、
送信内容を常にチェックしておく必要があります。
しかし、流星群の時には利用できるので、流星群だけ狙う方にはいいかも知れません。
電波観測の利点
流星の電波観測の利点は、なんといっても、昼夜、天候に左右されずに観測ができるということでしょう。
昼までも、雨が降っても(ヤリが降ったらどうなるかわかりませんが)、
流星がいくつ流れたか知ることができます。
しかも、パソコンを使えば、自動的に記録してくれるので、
人間は星を見ていても、寝ていても、また、昼寝をしていてもOKです。
しかし、記録は常にたまるので、その整理は人間がしないといけませんが(^_^;)。
記録はサボってても大丈夫ですが、整理はサボるとあとで大変なことになってしまいます。
お問い合わせは:山本道成までどうぞ。