スーちゃんスーちゃん


2002年7月3日

ピーちゃんが帰って来なくなった翌日、 会社へ行くとなんとトンビがいました。
会社の者に聞くと前日から弱っていて地面に落ちていたそうです。 一晩中、地面の上に置いておかれていたようで、 抱えあげると首がだらんとたれさがるぐらいに弱っていました。
しかし、羽はとてもきれいで外傷もなく、幼鳥の様(といってもトンビを間近で見るのはこれが初めて) にみえました。
とりあえず、保温の為にペットボトル(3本)にお湯をいれた保温ベットの上に寝かし、 砂糖水を飲ませ、家からピーちゃんの為に用意してあったゆでたまごとミンチ肉を取って来て少し与えました。 この時、自分では餌を食べないので、くちばしを手でこじ開けて餌を与えました。
半日もすると、首を持ち上げるまでに回復しました。
この日、家へ連れて帰ったので、その時に撮影した写真です。

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地面にずっと置かれていたせいで、お腹の毛が土でかたまって、お腹がまる見えの状態でした。
これでは上等の羽毛も役立たないので、お腹だけシャワーで洗ってやりました。
シャワーの後、ドライヤーで羽を乾かしてやると、すっかりきれいになりました。
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image006.jpg 背中(?)
鳴くことはなかったのですが、時々「スー、スー」と鼻息(?)を立てていたので、とりあえずスーちゃんと名付けました。
image009.jpg 立ち上がろうとするようになりました。
しかし、ちゃんと立てずに羽を広げてぺちゃんと倒れてしまいます。

トンビをまじかで見るのは、スーちゃんが初めてですが、その大きさには驚きました。
先日まで世話をしていた、すずめのピーちゃんは、 手の中にすっぽり収まる大きさだったので、 余計に大きく感じました。

image011.jpg すこし、元気がでてきたのか、辺りをきょろきょろ見回します。

「なんだ、こいつは。。。」

image010.jpg ナマケモノ?
image012.jpg 「ふんっ」
「ナマケモノなんかじゃないよ。トンビだよ!」

2002年7月4日

朝、だいぶ元気が出てきたのか、何度も立とうとしますが、あいかわらず途中でつぶれてしまいます。
糞がほんのすこし赤茶色になっているのに気がつきました。
体を調べてみると、尾羽のつけねから肛門にかけて、ウジのような虫が大量についていました。
(昨日は全然気がつかなかった。。。)
とりあえずシャワーで大半は流しましたが、全部取るのは不可能でした。

前の晩から鳥獣保護関係の連絡先を探してあったので、あちこちに電話をかけて、 最終的には近くの動物園へ連れていって保護してもらえることになりました。 取りに来た方にこれまでの状況と、寄生虫の存在を伝え、スーちゃんを托しました。

その後。。。。

スーちゃんのその後が気になり、動物園へ電話して聞いてみました。
残念ながら、再び大空を飛ぶことはできなかったということでした。

「虫がついていたので虫下しの薬を飲ませたが、餌を自分で食べなかったのでダメだった」とのこと。
自分で食べないからさし餌をして元気が出てきてたのに、それがちゃんと伝わっていなくて、残念でした。
ちいさな動物園では職員も少ないでしょうから、1羽につきっきりで世話をすることは無理なんでしょうね。


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